地球ことば村
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【地球ことば村・世界言語博物館】

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山に「しおどき」はあるのだろうか?


「しおどき」ということばがある。「ここがしおどき」と使えば、「引き際」 を示したり「好機」を示したり、適当な頃合いを表すことばとして使われてい る。(もっとも、今の若い人たちが使うことは希だと思うが…)なかなか使い 勝手のいいことばである。

ある日友人とこの「しおどき」ということばの話になり(何故そんな話になっ たかは定かではないが)ふと、疑問が生まれた。しおどきは潮時のことであろ うし、それは海辺で暮らす人々や、海の恵みを暮らしの糧とする人々から生ま れたことばであろうと想像できる。潮の満ち引きは、そうした人々にとって重 要な問題であろうし、暮らしそのもののサイクルを左右する「時」でもあった のだろう。しかし潮の満ち引きの時刻は日々変化する訳だから、このことばは 時刻を表すことばではない。漁に出る時や港に帰る時などのタイミングを計る ことばとして使われたのだろう。

…で、くだんの疑問である。海を知るに人々から生まれた「しおどき」にあた ることばを、海を知らない、例えば山で暮らしていた人々は、どんなことばを 使って表していたのだろうか?潮の満ち引きと同じような現象が山にもあり、 別のことばが存在するのだろうか?あるいは、山の暮らしには、潮時に左右さ れるような暮らしのスタイルはなく、「しおどき」にあたることばは存在しな いのだろうか?どなたかご存じだったら教えてください。

(会員S.W.)