地球ことば村
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【地球ことば村・世界言語博物館】

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世界の文字

メンデ文字 英 Mende script


西アフリカの西部,シエラ・レオネ(Sierra Léone)地域に分布する,ニジェール・コンゴ語派マンデ語群に属すメンデ語を表す文字。それより以前から存在は知られていたが,1935 年にエベル・エルベル(Eber Elber)がその地域を調査して,はっきりとした字形を紹介した。一般には,ヴァイ文字と同じく音節文字と考えられているが,実際には 190 字形あるうち,42 字は,子音字と母音符号の規則的な結合形である [1]

この文字の創作者ははっきりしていて,ヴァマ(Vama)の仕立て屋キシミ・カマラ(Kisimi Kamala,およそ 1890~1962)が 1921 年に 3 か月半かかって作り上げたといわれる。子音字と母音符号の結合形の中に,アラビア文字に似たところがあるうえに,右から左へ横書きする点,点あるいは画を上に加えるところは,アラビア系文字をモデルにしたのではないかと考えられる。そのほかの音節文字は,象形字形から変化した印象を強く与える。しかし,完全な音節文字になっていて,あるいはヴァイ文字などの影響を受けたのかもしれないが,その来源はまだ解明されていない [2]

文字構成

音節文字


鼻子音字


合字


メンデ語テキスト

サンプルテキスト

「税金受領書」 [3]

テキスト入力

次の表は,メンデ文字用フォント JG Mende の配列を示す。ただし,メンデ文字用の仮想キーボードなどは存在しないため,文字表が表示可能なソフト,あるいは,BabelMap などのユーティリティーを利用して文章を入力する。【参考】 多言語環境の設定


関連リンク・参考文献

[最終更新 2021/12/11]