バイリンガル教育を考える
4月24日(土)、地球ことば村事務所にて、初のミニフォーラムを開きました。市民フォーラム「バイリンガル」でコメンテータをお願いした唐須教光先生に、特にバイリンガルの教育面に焦点を当てて、お話していただきました。要旨は以下の通りです。
●バイリンガルは、日常生活を複数のことばで送らなくてはならない人々に多い。インドでは、土着のことば、ある地域に共通のことば、公用語などを使わざるを得ない。アマゾンの一種族では、同じことばを話す者同士は結婚できないため、子どもは必ずバイリンガルになる。
●これまでのバイリンガル教育は少数者が多数者の言語を(生きるために・出世のために)学ぶことが主流だったが、カナダでは子どもの将来に有利だということから、多数者(英語話者)が少数のことば(フランス語)を学ぶ「エマージョン」教育が注目されている。日本でも授業は英語で、日本語は家庭でという学校が出てきている。
●言語習得の臨界期は母語にはあるが、第2言語には20歳以降も母語とほぼ同等の能力を獲得する例がある。ただし、発音については臨界期があるようだ。英語は音韻構造が複雑な言語なので、日本人はもっと発音が単純な韓国語、イタリア語などのほうが学びやすいと思う。 《事務局》