地球ことば村
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【地球ことば村・世界言語博物館】

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2015年度総会記念講演

「TOTOROの『その後』-ニッポン映画現代英語翻訳事情」


■日時:2015年5月30日(土)午後2:00-4:30
■会場:慶應義塾大学三田キャンパス西校舎512教室
■講演者:井上逸兵先生(地球ことば村副理事長・慶應義塾大学教授)

井上逸兵先生


事務局からの報告
 今も根強い人気の宮崎駿・スタジオジブリのアニメーション「となりのトトロ」は、1988年に日本公開され、JALの機内放映用に吹き替え英語版が制作されました。1993年アメリカで英語字幕版が発売され、学校などでも見られたということです。さらに2006年、ディズニーピクチャーズが字幕・吹き替え全面改訂の英語版を再リリースしました。
 最初の英語版からほぼ20年近く、改訂版の英語はかなり違う翻訳になっています。その変化は何を示しているのか・・・?
 ことば村副村長・慶應義塾大学教授の社会言語学者井上逸兵先生が、巧みな話術で読み解く現代翻訳事情-見えてきたのは、世界の多様な言語に合わせたビジネス国際化に伴う翻訳の変化、すなわち現地の言語に機械翻訳が可能な、シンプルな英語にまず翻訳し(グローバル化と名付けられます)それを現地語に翻訳するという、近年確立しつつある翻訳の新しいスタイルでした。-  さまざまな世代の多くの参加者が熱心に聞き入った2時間半、トトロをはじめ、魔女の宅急便など多くの宮崎アニメを題材に、大変わかりやすく、楽しい時間が流れました。