地球ことば村
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【地球ことば村・世界言語博物館】

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地球ことば村日本語特別授業
「世界でひとつの 私たちの歌 2009」始まる!

 

 2009年度の地球ことば村日本語特別授業は、目黒区立緑ヶ丘小学校に舞台を移して、ことばと音楽で心を伝えることを目的に、4年生のクラス全員が協力して「世界でひとつのクラスの歌」を作ることになりました。

 授業担当は、これまでと同じ角岳史先生(指揮・作曲)。歌い手はソプラノの里中トヨコさん、ピアノ演奏はこれまで通り柳津昇子さんです。

 緑ヶ丘小学校の音楽室は、コンサートホールのような素晴らしい部屋。そこへ31名の4年生が、「今日はなにをするのかな・・・?」という顔をしながら、入ってきました。「みなさん、おはようございます」と角先生。「みんなで協力して世界でひとつのクラスの歌を作詞しましょう」と聞いて、子どもたちは「えー!」。「まず、ご挨拶として、里中さんに唄ってもらいましょうね」 高い天井に、すきとおったソプラノでプッチーニの「私のお父さん」がひびきます。唄いだしから、その声の美しさに子供たちから喚声が漏れました。

 「今の歌はイタリア語、でした。説明をきいてからだから、内容はわかったとおもうけど、外国語の歌は最初は何を言っているかわかならないよね。じゃぁ、日本語だったらわかるはずだよね?」と、次は「叱られて」を里中さんが歌います。子守姿のイラストボードを手に、「この赤ちゃんは誰だと思う?」と角先生。「自分の弟か妹」と答える子どもたち。「誰に叱られたと思う?」「お母さんか、お父さん」 そこで角先生が実はね、と奉公に出て、ご主人に叱られ、その家の赤ん坊の子守をしている、ふるさとは遠い山の向こう、そこで花見をできるのはいつのことか、と説明すると皆驚いた様子。そしてもう一度「叱られて」の歌声が流れると、子どもたちは全く違う表情で真剣に聴き入りました。

 「歌のことばが分かると、歌が違って聞こえますね。では同じことばで音楽がちがうとどうなるでしょう」 と、今度は北原白秋の「砂山」を山田耕作作曲と中山晋平作曲で。違いは?の問いに、「前の(山田耕作作曲)の歌だと、佐渡まで行けない感じ、あとの(中山晋平作曲)だと、佐渡まで行けちゃう感じ」なるほど!です。「前のはネガティブ、あとのはポジティブ」そんな感想もでました。

 ことばと音楽がいっしょになって、伝えたいメッセージがよりはっきりと伝えられる、それを学んだ第一回目。「12月の第二回目授業では、歌詞になる詩の書き方を勉強します」と角先生。さぁ、どんな授業になるか楽しみです。

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