現代の女子高生を中心に、絶対的価値として使われている「かわいい」をとことん考えてみるサロンでした。
そのように(この場合は「かわいい」)いわれたい・仲間になりたいという友好的な面=ポジティブフェイスと、同じことばを使うことで仲間であることを確認する・使わない世代を切り離す=潜在的威信 の両面が若者のことばにあります。
まず、参加者がそれぞれ、かわいいと思う・かっこいいと思う・かわいくないと思うの例として芸能人をあげてみました。
例えば かわいい=仲間由紀恵 かっこいい= かわいくない=泉ピンコ など。そこからわかること。
「かわいい」とは無垢・はかなさ・年下・心理的に近い
「かっこいい」とは強さや大きさ・成熟や完成・あこがれ・心理的に遠い
「かわいくない」とは未完成なのに完成していると自認・自己主張・他人に厳しい
などが連想されて・・・・。
また、女子高生の携帯メールの文字を取り上げ、小文字の多用、絵文字の多用、などがみな、「かわいい」から使われていること、そこから、彼女たちはことばの意味だけでなく、「パラ言語的要素」を自由自在に使っていることがわかりました。つまり、声の抑揚やリズムなどを視覚化しているわけで、これらの文章は実は文章というより、声による会話が形をかえたものなのだ、と。
参加者の中から、世代を超えて、女性は「かわいい」といわれることに抵抗が無い。けれども、男性は「かわいい」といわれると一瞬たじろぐという意見が出ました。そこから、「やっぱり、おんなは気立て良く、器量よしで、バカがいい」という先入見があるのではないかという声も。
判じ文字のような携帯メールに取り組んだり、笑いの絶えない楽しいひとときでしたが、現代の若者の心の一端に触れたように思えます。この続きはまた、6月のフォーラムに発展することになりました。