地球ことば村
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【地球ことば村・世界言語博物館】

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ことば村・ことばのサロン

2016・4月のことばのサロン
▼ことばのサロン

 

「日本語の親戚探し」


● 2016年4月9日(土)午後2時-4時30分
● 慶應義塾大学三田キャンパス南校舎451教室
● 話題提供:小林昭美先生(元NHK放送文化研究所所長・大正大学客員教授、
  地球ことば村理事)


小林昭美先生


 日本語はどこから来たか―は、昔から学者・市民を問わず関心の対象です。今日のお話は、辞書『言海』の中で日本語の起源に触れた有名な「ねこ」の項から始まりました。(ねこはねこまが略されたもので韓国渡来のものか、・・・など)そして古事記や日本書紀、万葉集の表記を中国語や朝鮮語と照らし合わせて日本語の語彙は中国語からの借用が多いと指摘、さらに各国語に翻訳されているキリスト教聖書の聖句を材料にして、<統語・形態・音韻>の三要素を切り口に、朝鮮語・蒙古語・中国語・英語・アイヌ語・チャモロ語・ビルマ語・タミル語の8言語を比較、それぞれが日本語と同じ特徴を持つ項目を洗い出したところ、類似が多い順は―

日本語<朝鮮語<蒙古語・ビルマ語<アイヌ語<タミル語<中国語<チャモロ語<英語

となりました。日本語の一番の親戚は朝鮮語ということを示唆する結果になったのです。


会場の様子


 8言語の聖書を読み比べての検討内容は新著『「やまとことば」の来た道』で詳しくよむことができます。膨大な研究作業を2時間半にまとめた内容の濃い講演でした。参加者のアンケートに― 「近年やたらに英語などの外来語が乱用され、『やまとことば』が消えてゆくと嘆いていたが、中国語を知った古代で、もっと大々的に中国語によってやまとことばが消されたという日本語の大革命を想像してみると、現在の英語などの流入の比ではない。考えてみるだけで面白かった」

 講演の全容はYouTubeでお楽しみください。


YouTube映像
 https://youtu.be/FCh6iSXLJaw(別ウィンドウが開きます)


(文責:事務局)