ダラムサラに流れたお経
5月1~3日ダラムサラを訪問。滞在最終日3日午前8時、ダライラマ14世がお寺でご祈願される ことが急に決まり人々の前にお姿を現した。チベット仏教界では、彼は観世音菩薩様。衆生の声に 応えて救いの手を差し伸べる慈悲深い菩薩。あらゆる災難から人々を救うと言う請願を持ってい る。その尊い姿に人々は頭をたれて合掌、ご祈願する。私もチベットの人々の輪に加わり一緒に 合掌、平和をご祈願。8時半より約1時間お経が唱えられたが、それはお経と言うよりは音楽。微風 に乗ってこの山頂から世界に発信される。
チベット臨時亡命政府の置かれたダラムサラ(人口は約2万人)はダライラマ14世を指導者と するチベット難民約8000人(3500人が高校までの学生、1000人が僧侶、残りの3500人が一般難民) が暮らす臨時の都。中国政府が支配するチベットから毎年約2000人が逃げてこの地を目指して来る。 目下、毎晩、午後7時からこのお寺で一人一人蝋燭に火をともし平和の祈願が行われている。
デリーからデカン航空で1時間40分。車で30分山を上るとマクロード・ガンジ(Upper Dharamsala)。ダライラマ14世の住む宮殿と法王が祈るKalachakura Templeを中心にした街に到着。 高度は約1200M。宮殿の向かいの峰に立つ当地一番のチベット様式ホテルChonor House(チベット 文化を守る為に1993年建設完成)に宿泊。歩いて10分でお寺に参拝できる。ヒマラヤ山脈に位置し、 緑豊かな静かで空気が旨い。微風と百鳥が舞う癒しの精神性世界が広がっている。どうも物理的に 環境がいいと言うだけでは不十分であり、私にはここには自然の精気、人々の霊気、神々の気が 充満している様に感じられる。聖地でしか感じられない一種独特の雰囲気が漂う。
Chonor Houseより宮殿(山頂)とお寺を望む
ここにも日本人は住んでいる。8人。一番の大御所は中原一博さん(55歳、広島県出身)。 1984年臨時亡命政府から建築家として月給900ルピーで採用されご活躍。現在はNGOとしてご活躍 (チベットNOW@ルンタ)。 中原さん曰く、チベットは一言で言えば、ダライラマ14世を戴いた 人間と自然が共生する平和国家、そして理想国家。いよいよ中国政府との平和協議、中国共産党 vs観音菩薩が始まる。
世界のマスコミがこの地に押し寄せてダライラマとの記者会見に臨む。世界が注目するインド の一大スポットである。
5月3日午前8時半より1時間ほどの間ツクラカンでチベット人の
自由と平安を祈るモンラム(祈願会)が各派のトップ勢揃いの上行われました
吉野 宏
2008年5月3日ダラムサラにて