黄門様
1990年代の半ば頃、
東京 赤坂 夕闇せまる街中 男女の待ち合わせをする人達で大賑わい!
(まだスマホなんかない時代)
道幅が狭いゆるやかな坂道
その道から コトンという軽い衝突音がしました?!
青いBMWがタクシーに追突したのです。
そのBМWを運転していた見るからにいかれた男
(今でいう反社会的勢力ふうの男)
無理やりタクシーの運転手を車から引き出し、
「おめーが悪いんだ
弁償しろ とにかく俺の事務所に来い!」
運転手さんの首を締め上げ 大声で叫び散らすのです。
その運転手さん 血の気がなくなって困り顔。
周辺にいた人達は もちろんタクシー運転手さんの味方。
「悪いのは お前の方だ!」
(もちろん口には出しませんが)
ちょうど そこにもう既に酔って歩いていた僕と同僚のスーさん、
そのスーさん
突然 何を思ったのか路上に土下座して
僕に向かって「ご老公 いかがいたしましょうか?!」
(このスーさん 学生時代は 有名私大の空手部主将)
「スーさん こらしめてあげなさい」
そして このスーさん 空手けいこの時のように
両手首を十字に交差させて 空手の受身のスタイル
その反社男が繰り出すパンチを軽く手のひらでかわしながら
一歩ずつ 反社を歩道の端に追い詰めて最後に一発拳で軽く肩を突くと
その反社君 ギャァー!?と叫んで 路上にバッタりと倒れてしまいました。
歩道上の人達
歓喜の声とパチパチと拍手音も
「スーさん もう よいでしょう」
誰かが近くにある交番に報せに走ったというので
待ち合わせで混雑している歩道を二人で歩いて行きました。
(ほんとは 走って逃げ去りたかったのですが)
その後 我々は 裏町にある常連にしているカウンターバーに行きました。
マスターに彼の奥さん それに若い男女の客が3人いました。
我々 実は いま 半社を、、、!
軽く黄門様で痛めてきたと大笑いで一部始終を話しました。
(そうとうに自慢げで)
マスター夫妻も 「まさか?!」と大笑い。
ところが これを聞いていた若者3人組は 無反応?
しかも その中の男女二人は 「コウモン様ってなに、、、?」
なんと!「水戸黄門」 放送を見た事がないらしいのです。
この時「水戸黄門」は
視聴率 平均30%ちかい高視聴率 お化け番組と言われていたのに。
この若者男女三人中 二人は 黄門様を知らないというのです。
若者には見られていない。
時代劇ドラマは この頃から 弱体化が始まったのでしょう!
今では 確かに時代劇ドラマは 民放には 数えるほどもありません。
若者が見ないので時代劇放送枠に スポンサーが付かないのが 主な理由です。
時代劇ドラマは 貴重な 日本文化の一つでしょうが?!
視聴率という数字は この頃は 世帯視聴率が、
現在では 男女別 年代別 個人視聴率という新しい検出方法が主流です。
この視聴率の違いは 別の機会に お知らせします。
ところで この反社君
この失態 (仲間の反社組織の人達にも みっともなくて言えないでしょうし?)
どうしたんでしょうか、、、?
「あっしたちには かかわりござんせん!」
こうなったら
「木枯らし紋次郎」(フジテレビ時代劇 連続ドラマ)
ちょっとは 反社君の事を気にしながら朝まで飲んでいました。
《中村和則(2021年掲載)》