シズル
今年は 猛暑の夏といえたのでしょうか?涼しくなって急に、平川町近辺は寒風が大騒ぎで・・・? でもこの寒風を熱風に換える人もいるのでしょうね。「政治の世界は 一寸先は闇」そうなんでしょうね?!
この「猛暑」、2007年から 使われ始めた用語だそうです。
所によっては、どうも気象の専門家も、今年の暑さを平年よりもちょっとは低いという人、通年並みという人もいるそうです。
昭和40年代後半頃「男は だまってサッポロビール!」三船敏郎さんのコマーシャルを覚えられている人も多いでしょう。(中高年者でしょうが) 三船さんが サッポロビールを片手に持ち あの豪快さでニヤリと微笑みながら大きめのビールジョッキーに流し込む!
美味しそう・・・! ビール好きにはたまらないコマーシャルでしたね!ビール瓶から流れ出るビール。その液体がジョッキの中に流れ込む。すると細かい泡・・! たちまち泡が光り輝き、はじける!
僕が学校の授業料を現金で納付していた時代、何とか親をゴマかしてお金を二重取り!その金で・・・ビールを! (お盆。亡き両親の墓でごめんなさい)
コマーシャル業界の撮影部や照明部が、この流れるビールの泡をこれだけ別に撮影するのです。望遠レンズや接写レンズを、とっかえひっかえ何度も撮影するわけです。もちろん照明の色を変えたり、光量をそのつど弱くしたり強くしたり。この泡の撮影で徹夜作業になるのは日常茶飯なのです。
この撮影をコマーシャル業界では 「シズル撮り」と言います。この「シズル」、肉を焼く時に、肉の脂分が溶け出る時 ジュージューという音がしますよね。
この音のことを 英語でシズルというそうです。(イタリア語が語源という説もあるそうですが? 語学の専門の先生方、この点は宜しくお願いします)
それにしても 虹色に輝く泡! 真っ昼間からでもやりたいものです!
コマーシャルやドラマスタジオには「前室」という小部屋があります。衣装室やメーク室とは別なのです。出演俳優さんがこの前室から出てスタジオインすると、小部屋はカラになります。
撮影が始まると「一件落着」と我々制作会社、広告代理店の人、それに大切なスポンサー様達、スタジオ内で撮影をしている新商品を持ち出して、試飲としゃれるのです!気のきく代理店は、冷蔵庫、ツマミのカキのタネの子袋まで用意しています。
もちろん ヒト口飲んで「あー美味しい!」(口に流し始めた瞬間!) もちろん、雑談はスポンサー様に代理店が中心となり、お追従笑!
飲み始めたら、試飲ではすまないのが通常、ちょっとの間にカラ瓶、カラ缶が並びます。
時のたつのは速いもの「無事 終了しました、お疲れさまでした!」製作担当の人が、やっと終わったと知らせに来るのです。前室(小部屋)では大騒ぎ。酔っている人も・・・?! 「お疲れさま!」と報せてくれた担当者「あいつら・・・バカヤロー」と心の中で叫んでいたでしょうね!
《中村和則(2021年掲載)》