カウキャッチャーとヒッチハイク
この言葉は 業界用語として現在ではほとんど使われていないだろうと思います。
以前 テレビ広告業界で通用していた言葉です。
昭和44年、TBSテレビ午後8時から「水戸黄門」松下電器提供で放送がスタート。ところが現実には、8時02分から放送が始まるのです。
この2分間 ネット系列を組んでいる地方放送局では松下電器CMではなく、自分の局でスポンサーを探し そのCMを2分間放送するのです。(地元の老舗店 有名な造り酒屋 等)このCM売り上げは 地方局の「儲け!」になるのです。
この2分間のCМをカウキャッチャー(cow catcher)と言います。
アメリカ 西部開拓時代 大草原を蒸気機関車が猛烈な勢いで 暴走している。
砂漠のどこまでも続く線路の上に気持ちよさそうに牛がゴロン!蒸気機関車の前に付いている頑丈な鋼鉄製のカウキャッチャーが、牛を跳ね飛ばす!
いかにもアメリカらしい雄大な風景ですね!
視聴率が稼げる番組の前にスポットCMを入れて、これをカウキャッチャーと名づけ在京在阪キー局は 広告代理店、スポンサーと協議して地方局を経済的に応援したのです。
一方 ヒッチハイク(hitchike)とは、番組が終わった後、2分間程度ここも地方局にCМ枠を渡すのです。これもネット地方局の貴重な収入になるのです。
現在では 衛星放送が出来たので こんな方式は通用していないようです。
あの時代、バブルの前後はスポンサー、広告代理店、放送局も、互いに協力しあい優雅で、おおらかな商売をしていたんですね・・・!
《中村和則(2022年掲載)》