バムン文字 英 Bamum script
バムン文字で書かれたテキスト (1910) [Public Domain / 出典] |
表音的運用とともに,1903 年には 450 字あった字形が次第に減少し,1911 年の改良をへて 80 字になり,あるものは表音節文字,あるものは単音文字として使用された。1918 年にはさらに字数が減少して,アルファベットとして性格づけられ,[2] 最終段階では 70 の音節文字と 10 個の数字,声調記号,句読点を含む文字体系となった。表意文字から表単音文字に至る文字組織の発展と字形の変化を顕著に示す点で,バムン文字は,文字研究の興味ある対象である。[3]
ンジョーヤ王は,学校・図書館を建設,また,金属活字を用いる印刷機も設置したが,カメルーンの一部が 1919 年にフランスに掌握された後に,図書館と印刷機,さらに,バムン文字による本の多くが破壊され,そして、学校でのバムン文字教育も禁止された。フランス領カメルーンが 1960 年に独立後に,ンジョーヤ王の跡取り息子 (Seidou Njimoluh) は,そのようなバムン文字原稿と生き残った他の資料を集めて,彼の父親の博物館にそれらを収蔵し,また,バムン文字復興の運動を行っている。[4]
文字構成
最終段階のバムン文字体系
字母:文字体系は,最初の4文字をとって,a-ka-u-ku と呼ばれる。
数字
句読点
ユニコード
現行のバムン文字は 2009 年にユニコード・バージョン 5.2 で,領域 U+A6A0..U+A6FF に追加登録された。フりー・フォント Noto Sans Bamumには,次項で取り上げる絵文字の段階の字母と,それから発展したの各段階の字母も含む。
バムン文字の発展
1896 年にバムンのンジョーヤ王は,宣教師たちの文字を知るようになって,自分の部族にも独自の文字を用意しようと決意した。彼の夢の中に現れたのは,それぞれの対象物や行為を総て絵で表現するという方法だった。彼は家来たちにすべての種類の事物を描くように命じ,その描かれたものの中から文字として使用する目録を作成しようとした。文字の開発は 1918 年まで続き,最も表意文字の性格を帯びる最初の 5 段階(A-E:絵文字)の企てを経て徐々に簡略化され,音節文字に近い段階(F,最終形の G)まで発展した。[5]古バムン文字は 2010 年にユニコードのバージョン 6.0 で,領域 U+16800..U+16A3F に追加・登録された。 A 段階から F 段階の各発展段階のそれぞれの文字を収録している。下記の文字表は,A 段階のものの一部である。象形文字全体はここを参照。
下記の文字表は,F 段階のものである。
注
- ^ 西田龍雄 (2001)「バムン文字」河野六郎, 千野栄一, 西田龍雄 編著『言語学大辞典 別巻 (世界文字辞典)』三省堂, p.751.
- ^ 西田 p.751.
- ^ 西田 p.752
- ^ Omniglot: Bamum syllabary
- ^ Wikipedia: Bamun-Schrift
関連リンク
- バムン文字
- ScriptSource: General Overview | Fonts & Keyboards
- Omniglot: Bamum syllabary