ヤズィーディー文字 Yezidi
<ヤズィーディー文字は右から左へ書く文字で,クルド語,特にクルマンジ方言(北クルド語とも呼ばれる)を書くのに使われた。この文字の歴史は古く,ある資料によると 13~14 世紀まで遡ることができるが,この文字の誕生を 17~18 世紀とする学者もいる。
この文字の作者は不明だが,1911 年にアナスターゼ・マリーによって初めて出版されたメシェファ・レシュ(Meṣefa Reş)とキテバ・チルウェ(Kitêba Cilwe)という 2 つの写本に使われている。歴史的には、メシェファ・レシュとキテバ・チルウェという 2 つの神聖なイェジディ写本が存在したと考えられているが,原本は失われている。後にこれらの写本が発見され,エジディー語の特殊なアルファベットで書かれていたが,その内容は歪曲されていた。そのため、ヤジディ教の聖職者たちはヤジディ語のアルファベットは認めているものの,これら 2 つの写本の内容をヤジディ教の典拠とは考えていない。
2013 年、グルジアのヤジディ教徒の精神評議会は,ヤジディ文字を復活させ,祈りや宗教書を書いたり,組織のレターヘッドやヤジディの紋章に使用することを決定した。今日,トビリシのスルタン・エジドのヤジディ寺院では,ヤジディ聖職者によって使用されており,ヤジディの聖人の名前がこのアルファベットで壁に書かれている。また,ヤズィディ教徒の祈りを集めた本『Dua'yêd Êzdiyan』はヤズィディ語のアルファベットで書かれ,出版されている。[Yezidi script: Kurdish alphabets]
文字構成
ヤズィーディー アルファベット
サンプルテキスト
The book of prayers Dua’yêd Êzdiyan (2018)Andrij Rovenchak |
ユニコード
Unicode U+10E60..U+10EBF フリーフォント Noto Serif Yezidi
参考サイト
- Yezidi script
- Omniglot Yezidi
- Andrij Rovenchak, Dimitri Pirbari, and Erdal Karaca (2019) Proposal for encoding the Yezidi script in the SMP of the UCS L2/19-051R
[最終更新 2024/01/20]