オスク文字 英 Oscan alphabet,独 das oskische Alphabet,仏 alphabet osque,伊 alfabeto osco
古代イタリア中部および南部全般に,前 5,6 世紀頃から改元時代に至るまで用いられたオスク語を表記した,エトルスク文字に由来する文字。 [1]
文字構成
オスク文字表[2]
サンプルテキスト
アベッラの石柱碑文
オスク文字碑文で,長文にして重要なものの 1 つに,「アベッラの石柱 Cippus Abellanus」と呼ばれるものがある。1745 年,ノーラの町の北東に隣接するアベッラ(Abella)の町で家の敷居として使われていたのが発見された。縦 192 cm,横 53 cm,厚さ 27 cm の硬い石灰岩板で,3.8 cm 程度にそう深くなく,しかし,丁寧に右から左へ刻まれている。前 2 世紀中頃のもので,アベッラとノーラとの 2 都市の境界に位置し,双方の共有であるヘルクレース(Hercules)神殿に関する,両町間の協定を記したものである。 [1]
【参照】SANNITI IL CIPPO ABELLANO
アニョーネの青銅版碑文
イタリア中部カンポバッソー県(Campobasso)の都市アニョール(Agnone)の近郊カプラコッタ(Capracotta)にて,1848 年発見された,取っ手と鎖のついた小青銅板。28 × 16.5 cm。両面とも,オスク文字が,右らか左へ刻まれている。最初に,15 の神々が列挙されており,その神苑に祭礼の場所をもち,1 年を通じて農業の神々が崇拝さていたことが記されている。 [3]
アニョーネの青銅版碑文(部分)[Eliasjorge4 / Public Domain / 出典] |
ポンペイ出土のオスク文字建造物刻文
オスク文字建造物刻文 [Faulmann / Public Domein / 出典] |
注
- ^ a a 蛭沼寿雄 (2001)「オスク文字」河野六郎, 千野栄一, 西田龍雄 編著『言語学大辞典 別巻 (世界文字辞典)』三省堂, p. 186.
- ^ Jensen, Hans (1969) Sign, Symbol and Script - an account of man's efforts to write. G. P. Putnam's Sons, p. 509.
- ^ 蛭沼 p. 190.
関連リンク
[最終更新 2021/11/09]