北ピケーヌムの文字 英 alphabet in north Picenum

古代イタリア中東部,アドリア海に面する地域にピ(ー)ケーヌムがあり,首都はアースクルム・ピケーヌム(Asculum Picenum)で,北部に港市アンコーナ(Ancona)があった。このピケーヌムを中心とし,北はウンブリア(Umbria)のアドリア海沿岸から,南はピケーヌムの南辺を越え,アーテルヌス川(Aternus)の南方に及ぶ地域で,一連の碑文が発見されている。しかし,中部のマチェラータ(Macerata)あたりを境とし,それ以北と以南とでは,碑文の文字も年代も相違があり,通常,北と南に分けて取り扱う。→ 蛭沼
文字構成
北ピケーヌムの文字(ノヴィラーラ)文字表 → 世界の文字研究会

北ピケーヌムの文字テキスト
サンプルテキスト
ノヴィラーラの石柱碑文
アドリア海沿岸の海港ペーザロ(Pesaro)南方のノヴィラーラ(Novilara)の近くの古代共同墓地で,1889 年発見された。長方形の砂岩塊。縦 64 cm,幅は上部 45 cm,底部 41 cm,厚さ 8.89 cm。表面に各行右から左へ,12 行にわたり文字が刻まれている。ノヴィラーラ碑文の文字は,概して,(前 400 年頃の)エトルリア文字と一致するが,それ以外に若干の文字が加わる。
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関連リンク
注
- 蛭沼寿雄(2001)「北ピケーヌムの文字」『世界文字辞典』(言語学大辞典,別巻,三省堂)
- 世界の文字研究会 編(1993)『世界の文字の図典』(吉川弘文館)
[最終更新 2018/08/20]