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【地球ことば村・世界言語博物館】

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世界の文字

プリュギア文字 英 Phrygian alphabet

紀元前 1 千年紀,小アジア中部のプリュギア王国(フリュギア王国)で用いられたアルファベット系の文字。プリュギア語は 2 つの違った時期の言語資料によって知られるが,「プリュギア文字」と呼ばれるのは,その中の「古プリュギア語(Old Phrygian,Paleo-Phrygian」の時期に用いられていた文字である。この文字資料の年代は前 8 世紀の後半から前 4 世紀頃までで,ヘレニズム期以後,この文字の使用は途絶えた。「新プリュギア語(Neo-Phrygian」は,ローマ時代のギリシア文字で書かれている。

プリュギア文字の記録の最古のものは,前 8 世紀半ばまで遡る。文字の起源は,おそらくカルキス文字に代表されるような西ギリシア文字(Western Greek alphabet)の最も古い型であったと考えられている。カルキス人はイタリアだけでなく,小アジア北部の沿岸地帯にも早くから植民活動を行っていたからである。[松本]

文字構成

文字の配列は,ギリシア文字のそれに準じている。この中で,a から u までの文字は,古い時期のギリシア文字に,その形も,またおそらく音価も一致する。文字の方向は,左から右方向と右から左方向の両様があり,現存資料の約 3 分 2 は右方向で書かれている。

文字資料

複数行にわたる若干の碑文では,左右交互の「牛耕式(boustrophedon)」が見られる。右方向と左方向とでは文字の向きが,文字表に示したように,多くの場合逆になって現れる。また,一部の碑文で,3 つないし 4 つの縦の点によって,単語が分かち書きされている。

ミダスの墓 [China_Crisis / CC BY-SA 2.5 / 出典]

ミダスの墓 [Zeynel Cebeci / CC BY-SA 4.0 / 出典]

参考サイト

[最終更新 2022/03/16]