ミクマック象形文字 英 Micmac hieroglyphics
北米インディアン諸語に属するアルゴンキン語族のミクマック語の文字。17 世紀中葉にケベック南東端のゲスペ(Gaspé)半島に遣わされたレコレ会(フランシスコ修道会の一派)の神父ルクレール(Chrétien Clercq,1630~95)が祈禱文などを覚える一種の記憶符号として考案し,ミクマック・インディアンに教えた象形的な文字である。代々の伝道師による改変や補足があったが,とくにこの文字による教義問答書(1860)を出版したレデンブートル会修道士(Christian Kauder,1817~?)にちなんで,カウダー文字(Kauderscript)と呼ばれることもある。[宮岡 pp. 961-962.]
ミクマック語テキスト
主の祈り [Carl Faulmann / Public Domain / 出典] |
ミクマック象形文字によって書かれた堅信式の文章。Koqoey nakla msɨt telikaqumilálaji?と読み、直訳すると「なぜ / それら / 全て / 後に彼は彼らにそれをする」、「なぜそれらの手順のそれぞれが必要か」という意味になる [Evertype / CC BY-SA 3.0 / 出典] |
注
- 宮岡伯人 (2001)「ミクマック象形文字」河野六郎, 千野栄一, 西田龍雄 編著『言語学大辞典 別巻 (世界文字辞典)』三省堂.
関連リンク
- ミクマク語
- Omniglot: Mi'kmaq
- Pilling, James Constantine (1891) Bibliography of the Algonquian Languages. (Government Printing Office, Washingoton) (36.97 MB)
[最終更新 2022/01/20]