ムルターニー文字 Multānī

ランダー(Landa)文字には地域差によって異形が多く,このランダー文字の 1 つの異形がムルターニー文字である。ムルターニー方言は,西部パンジャープ語方言たるラーンダー(Lahndī)諸方言のうち,最も主要な方言で,別名,サラエキー(Saraiki)方言ともいわれる。シンド(Sindh)州に近いムルターン(Multan)は古来,パンジャープ文化の中心地で,一大商業の中心地として栄えたところである。現代のサラエキー方言の記述には,ペルシア文字が使われる。(→ 溝上)
文字表

ムルターニー文字見本

ユニコード
ムルターニー文字のユニコードでの収録位置は U+11280..U+112AFF である。例示に用いたフォントは Unifont Upper である。

関連リンク
注
- 溝上富夫(2001)「ムルターニー文字」『世界文字辞典』(言語学大辞典,別巻,三省堂
- Proposal to Encode the Multani Script in ISO/IEC 10646
- Grierson, G. A. (1916, rpt 1990) Linguistic Survey of Indis. vol. 9: Indo-Aryan Family, Central Group. Part 4: Pahāṛī Languages & Gujurī.
[最終更新 2019/01/20]