nƂΑ
言語学者・文化人類学者などの専門家と、「ことば」に関心を持つ一般市民が「ことば」に関する情報を発信!
j[
悤

【地球ことば村・世界言語博物館】

NPO(特定非営利活動)法人
〒153-0043
東京都目黒区東山2-9-24-5F

http://chikyukotobamura.org
info@chikyukotobamura.org

世界の文字

キリスト教ポー・カレン文字 英 Pwo Karen mission script


ポー・カレン語の文字には,キリスト教ポー・カレン文字,仏教ポー・カレン文字(Pwo Karen monastic script)とレーケー文字(Leke script)がある。キリスト教ポー・カレン文字のおおもとになったのは,アメリカのパプティスト派宣教師で,スゴー・カレン文字(=キリスト教スゴー・カレン文字)を作ったことで有名なウェイド(Wade)が 1830 年代に考案した文字体系であった。その後,同じアメリカのパプティスト派宣教師ブレイトン(D. L. Brayton)が 1850 年代に改良を加えたものが,現在も使われている。→ 加藤

ポー・カレン語は,ビルマのカレン周辺およびタイ側で話される東部方言と,ビルマ南部のイラワジ・デルタ周辺で話される西部方言の 2 つに大きく分かれる。キリスト教ポー・カレン文字は,元来,東部方言の発音に基づいて作られたが,東部地域のポー・カレン人にはもともと仏教文化が深く浸透しており,キリスト教の布教を目的として作られたこの文字が広く使われることには至らなかった。ところが,ビルマのイギリス植民地時代,カレン人の民族意識の高揚と共にキリスト教入信者の増えたイラワジ川のデルタ地帯においてこの文字が広く使われるようになった。そのためビルマのカレン人達は,この文字を「西部ポー・カレン語の文字」と呼ぶことが多い,

ポー・カレン語文例

Mk I. 1-4 [The Book of a Thousand Tongues. 1972, United Bible Societies. p. 220.]