「神奈川県営いちょう団地 団地祭り見学会」
● 2014年10月5日(日)午前9時45分-午後2時
● 案内:安達真弓先生(東京大学大学院・日本学術振興会)
首都圏にある多文化社会、神奈川県の県営いちょう団地の団地祭りに参加しました。
台風の近づく雨の中、最寄駅の小田急江ノ島線高座渋谷駅に集合。総勢9名でタクシーに分乗、いちょう団地の旧いちょう小学校へ。
いちょう団地は団地として最大の規模、84棟が横浜市と大和市にまたがって広がり、その93%に居住者がいるにぎやかな団地です。居住者の多くを中国帰国者、ベトナム人、カンボジア人、などが占めて、日本人居住者は高齢者が主ですが、外国にルーツを持つ方たちには若い年代の人達もたくさんいます。
いちょう団地では1994年の日本語教室開始からはじまって、NPO多文化まちづくり工房が作られ、ことばの教室以外にも進路ガイダンスや多文化サッカーイベントやレスキュー活動など、多彩なメンバーで多彩な活動を活発に行っています。団地祭りもそのひとつで、毎年10月の第一土・日曜日に開かれています。
今年1月の「ことばのサロン」で「本国ベトナムと在日ベトナム系の人々のことばと暮らし」を話してくださった安達真弓先生は、この団地の日本語教室にずっとかかわっていらっしゃいますので、この見学会のコンダクターをお願いしました。
雨のため、お祭りは旧いちょう小学校(今年3月で閉校・生徒たちは飯田北いちょう小学校へ通うことに)の体育館で。
プログラムは子ども神輿巡行から中国獅子舞、ベトナムの子どもたちによる伝統衣装ショー、中国帰国者による太極拳体操実演、カンボジアの歌と踊りなど盛りだくさん。途中、各国の料理の試食(水餃子やベトナムの揚げ春巻き、手羽先肉詰めなどなど、おいしかった!)をはさんで全員でカンボジアダンス~日本のダンス=炭坑節を踊って。最後はスピーチコンテスト優勝者の小学生:ジェレさんの国際平和スピーチ*で締めくくられました。
たくさんの笑顔に会えて、楽しい素敵な午後を過ごすことができました。首都圏にこれほどたくさんの文化、たくさんの背景を持つ人たちにじかに触れることのできる場所があったとは。それぞれの方たちをもっともっと知りたいと思いました。
駅までの帰途に、多文化食料品店に寄って、それぞれ、フォーやきくらげ、コショーなど買い込み、また来年も遊びに来たい!と解散。
*国際平和スピーチ
<私の父は11人兄弟の長男で、ベトナム内戦をのがれ、祖母と日本に来ました。その後残った家族を呼び寄せて苦労しながら今まで生活してきました。支えてくれる人、必要としてくれる人がいたから、できたのだと思います。父は日本の人からベトナムのことばでシンチャオ(こんにちは)と言われると、本当にうれしかった、と言います。今私は安心して暮らしています。戦争が無いというだけではなく、安心して暮らせるということが平和なのだと思います。みんなが安心して暮らせる世界になるように私も頑張っていきたいと思います。>
以上
(文責:事務局)
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