テングワール・シンダール語 英 Tengwar for Sindarin
シンダール語あるいはシンダリン(Sindarin)は J・R・R・トールキンが開発した人工言語であり,トールキンが十分に開発して本当に大きな文章を書ける二つの言語のうちの一つである(もう一つはクウェンヤ)。
トールキンの神話では,かつて最も使われたエルフの言語だった。また,エルフの「大いなる旅」の後に残されたテレリであるシンダールの言語で,共通テレリ語と呼ばれる初期の言語から派生した。ノルドールが「中つ国」に戻った時,生来のクウェンヤの方が美しいと考えたが,シンダール語を採用した。没落の前,ヌーメノールのほとんどの人間もまたこの言葉を使った。それについての知識はヌーメノールの亡国の民の王国ゴンドールの特に学識者の間で維持された。
もとは,ノルドール(エルフの第二の氏族)の言葉にしようと考えていたが(そのため,語源学的に名前もノルドール語 Noldorin だった),トールキンはその後シンダールの言語であると決定した。このために,古い資料ではノルドール語と呼ばれている。ノルドール語をシンダール語にした時,さらに,それはもとは無関係なイルコール語(Ilkorin)のいくつかの特徴を採用した。トールキンは,いくらかウェールズ語に基づいてノルドール語/シンダール語の文法および音を作り,確かに,シンダール語にはケルト語を特徴づける音変異が多く見られる。
シンダール語
子音
母音
数字
シンダール語見本
モリア西門「ドゥリンの扉」の銘
「あの字は何と書いてあるんですか?」アーチに記された銘を判読しようとしていたフロドがそうたずねました。「わたしはエルフの字を少しは知っているつもりでいましたが,これは読めません。」「あの言葉は,上古,中つ国の西に住んだエルフたちの言語で書かれておる。」と,ガンダルフが答えました。
Transliteration
Ennyn Durin aran Moria: pedo mellon a minno!
Im Narvi hain echant. Celebrimbor o Eregion teithant i thiw hin.
Translation
Gate of Durin, King of Moria, say friend and enter!
I, Narvi made them. Celebrimbor of Eregion drew these signs.
(inscription on the Gate of Moria)
王の手紙
『指輪物語』の没になったエピローグに登場する,エレスサール王が庄長サムワイズ・ギャムジーに宛てた手紙。ブランディワイン橋を訪れてサムワイズと彼の家族に会うこと(第四紀の北方王国への行幸)が,フェアノール文字を用いて手紙の左半分には英語で,右半分にはテフタール(母音記号)で母音を表わす方式でシンダール語で書かれている。出典:王の手紙
関連リンク
- 中つ国 Wiki シンダール