パシュトー文字 英 Pashto characters

アフガニスタンとパキスタン西北辺境に住むパシュトゥーン族がこの文字を使用し,パシュトー語を表記する。この文字がいつから使われたかは確かではないが,13 世紀の写本断片の存在が確認されている。
文字構成
パシュトー文字は,ペルシア文字 32 にパシュトー語に固有の子音を表記するために新たに考案された 8 子音字の,計 40 字からなる。下記アルファベット表のうち,赤字で示した 8 文字はパシュトー語に固有の音素の表記に用いられる。また,青字で示した 10 文字は,アラビア語・ペルシア語起源の語に用いられる。アフガニスタンの文法家はこれらを別表にして記し,ʼarabi huruf عربى حورف 「アラビア文字」と称する。これら以外の文字は, ʼasli huruf اصلى حورف 「基本文字」あるいは sahih huruf صحيح حورف 「正しい文字」と呼ばれている。表は,縄田(1998)による。
パシュトー文字表

母音音素の表記
母音表記と文字の関係はつぎの通りである。

数字
数字は,ペルシア文字に同じく,左から右に書かれ読まれる。

パシュトー語テキスト
Universal Declaration of Human Rights - Pashto / Pakhto (414.84 KB)

Khayr ul-Bayān Nastaliq in 1651 (Wikipedia)

関連リンク・参考文献
Pashto alphabet | パシュトー語
- Omniglot Pashto
- Learn Pashto Language
- A dictionary of the Pukhto, Pushto
- BBC News http://www.bbc.com/pashto
- VOA News https://www.pashtovoa.com/
- 中西コレクション (国立民族学博物館)パシュトー文字
- 縄田鉄男(1982)『パシュトー語基礎 1500 語』(大学書林)
注
- 縄田鉄男(2001)「パシュトー文字」『世界文字辞典』(言語学大辞典,別巻,三省堂)
- ―(1998)「パシュトー語」東京外国語大学語学研究所 編『世界の言語ガイドブック』 2: アジア・アフリカ地域(三省堂)
[最終更新 2018/10/20]