パシュトー文字 英 Pashto characters
アフガニスタンとパキスタン西北辺境に住むパシュトゥーン族がこの文字を使用し,パシュトー語を表記する。この文字がいつから使われたかは確かではないが,13 世紀の写本断片の存在が確認されている。
文字構成
パシュトー文字は,ペルシア文字 32 にパシュトー語に固有の子音を表記するために新たに考案された 8 子音字の,計 40 字からなる。下記アルファベット表のうち,赤字で示した 8 文字はパシュトー語に固有の音素の表記に用いられる。また,青字で示した 10 文字は,アラビア語・ペルシア語起源の語に用いられる。アフガニスタンの文法家はこれらを別表にして記し,ʼarabi huruf عربى حورف 「アラビア文字」と称する。これら以外の文字は, ʼasli huruf اصلى حورف 「基本文字」あるいは sahih huruf صحيح حورف 「正しい文字」と呼ばれている。[表: 縄田 p.725]
パシュトー文字表
母音音素の表記
母音表記と文字の関係はつぎの通りである。[縄田 p.726]
数字
数字は,ペルシア文字に同じく,左から右に書かれ読まれる。
パシュトー語テキスト
世界人権宣言 [出典] |
Khayr ul-Bayān Nastaliq in 1651 (Wikipedia)
Khayr al-Bayān in 1651 [Selbst erstellt / Public Domain / 出典] |
注
- 縄田鉄男 (2001)「パシュトー文字」河野六郎 [ほか] 編著『言語学大辞典 別巻 (世界文字辞典)』三省堂.
関連リンク・参考文献
- Pashto alphabet | パシュトー語
- Omniglot Pashto
- Learn Pashto Language
- 中西コレクション (国立民族学博物館)パシュトー文字
- 縄田鉄男 (1998)「パシュトー語」東京外国語大学語学研究所 編『世界の言語ガイドブック 2: アジア・アフリカ地域』 三省堂.
[最終更新 2022/03/23]