ベンガル文字 英 Bengalī script

ベンガル文字は,バングラデッシュ人民共和国とインド共和国西ベンガル州の大部分の住民(約 2 億人)によって用いられている音節文字である。ブラーフミー文字からグプタ(Guputa)文字へ,さらにナーガリー(Nāgarī)文字へと発達していったインド・アーリア諸語の表記文字は,クティラ(kuṭila)と呼ばれるナーガリー文字の東方変形様式から古代ベンガル文字(Old Bengalī script)を成立せしめた。ベンガル文字の最古の例は,西暦 5 世紀の前半に書かれたと思われる碑文や古書に散発的に見られるが,大量にしかも顕著に現れる資料としては,12 世紀初頭に書かれたと思われるサハジャ乗仏教の宗教詩集『チャリヤー・パダ(八行詩)』(Caryā pada)の写本がある。 [1]
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文字構成
ベンガル文字のしくみと形式は,他のインド・アーリヤ諸語の場合と同様,原則的には音節文字であるが,母音を示す文字には単独形式と子音と結合したときの付加形式との2つがあり,子音を示す文字にも,単独形式と他の子音と結合したときの付加形式の2つがある。なお,母音の付加記号 ' と,子音 ৰ [r] ৱ [w] を示す文字を除けば,同系のアッサム文字とまったく同じである。
単独母音文字・付加母音記号
現代語において i と u の発音は長短の区別を失っている。 -a は子音文字に内在すると考えられていて独自の記号をもたないが,他の母音はそれぞれ独自の付加記号をもち,子音の左右ないし下に付加される。
一部の子音文字に u , ū , ṛ が付加した場合は,下記のような特別な変形文字となる。
単独子音文字
特殊文字
左から,もともとインド系文字にはなかった文字で,新しい音や表記上の便宜のために既成の文字の下に点をつけて書かれる3つの文字。次は,カンダタと呼ばれる [t] を表す文字,オヌッシャルと呼ぶ [ŋ] を表す文字,最後は,直後の子音を促音化させて発音するためのビショルゴ記号。
2子音結合文字
ベンガル文字は,きわめて複雑な合字をつくる。多くの場合,上下に重ねた形であったり,左右に並べて合字をつくるが,なかには,元の形が判別しがたい合字もある。
付加子音記号
結合文字を構成する要素に,付加子音記号 ya ra la va ṇa na ma がある。子音字+ya と ra+子音字の場合は,特に,下記の通り規則的な形をとる。
数字
テキスト
サンプルテキスト
【訳】インドはパーニニの生地である。そのころプラークリット語を文字で記録した人々はとても学識のある人々であった。しかし彼らはプラークリット語を軽蔑していなかった。彼らはサンスクリット語文法からの圧力でプラークリット語を消滅しそうにはしなかった。なんとなれば彼らは言語に関して生まれつきの理解力を持っていたからである。 |
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সমস্ত মানুষ স্বাধীনভাবে সমান মর্যাদা এবং অধিকার নিয়ে জন্মগ্রহণ করে। তাঁদের বিবেক এবং বুদ্ধি আছে ; সুতরাং সকলেরই একে অপরের প্রতি ভ্রাতৃত্বসুলভ মনোভাব নিয়ে আচরণ করা উচিত্।
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ユニコード
ベンガル文字のユニコードでの収録位置は U+0980..U+09FF である。
入力方法
ベンガル語用キーボードを設定すると,タスクバーにはベンガル語を表す「BN」が表示される。仮想キーボードおよび入力方法については 多言語環境の設定 を参照。
結合文字は前述のホロントを用いてつぎのように入力する。
関連リンク・参考文献
ベンガル文字
- 中西コレクション (国立民族学博物館)ベンガル文字
- Omniglot: Bengali
- Ethnologue: Bengali
- ScriptSource: General Overview | Fonts & Keyboards
- WAZU JAPAN's Gallery of Unicode Fonts: Bengali
地球ことば村: ショヒド・ミナール ― 言語への愛の記念碑
Bengali Consonants
注
- ^ 奈良毅(2001)「ベンガル文字」『世界文字辞典』(言語学大辞典,別巻,三省堂)
- ^ Bagchi, Tista,家本太郎・内田紀彦訳「ベンガーリー文字」,Peter T.Daniels, William Bright [編] ; 矢島文夫 総監訳 (2013)『世界の文字大事典』(朝倉書店)