アーホム文字 英 Ahom alphabet
13 世紀の初頭から 18 世紀の末にかけて,インドのアッサム地方で用いられていたタイ族の一派,アーホム族の文字。南インド系の文字,アーホム文字は,シャン文字,カムティー文字と同様,古モン文字からの派生形だと考えられている。 [1]
An Ahom manuscript preserved in the Department of Historical and Antiquarian Studies, Pan Bazaar, Guwahati [Public Domain / 出典] |
文字構成
表単音文字で,子音字と母音字を組み合わせる。子音字は1字形が1単音を表示し,単独に読むときには, aa 母音をつける。母音字は,それぞれその種類によって,子音字の上下左右に置かれる。また,元来もっていたと考えられる声調の表記はない。
アーホム文字表
文字配列には二通りあり,一番目は G. Barua による「アーホム‐アッサム‐英語辞典」(1920 年)に基づくもので,次はアーホム文字フォントを作成した Stephen Morey の分析に基づくものである。
母音文字表
表の作成には,フリーフォント Ahom Font を使用。(morey-fonts.zipに同梱)
アーホム文字文例
[Terwiel & Wichasin (1992), 文例の作成には,フリーフォント Ahom Manuscript を使用。] |
注
- ^ 佐藤博史 (2001)「アーホム文字」河野六郎, 千野栄一, 西田龍雄 編著『言語学大辞典 別巻 (世界文字辞典)』三省堂, p. 37.
- ^ Terwiel, B.J. and Ranoo Wichasin (1992) Tai Ahoms and the stars : three ritual texts to ward off danger (Ithaca, N.Y. : Southeast Asia Program, Cornell University)
なお,同書に採録されているアーホム・テキストの MS Word ファイル(Ahom text, Transliteration, Translation, Gloss)が,Stephen Moreyのサイトで提供されており,text.html から入手できる。(Ahom.zip を解凍)
関連リンク・参考文献
- Ahom script | Ahom language
- Omniglot: Ahom
- Āhome Linguistic Survey of India / compiled and edited by George Abraham Grierson, Culcutta 1903-1928. Vol. 2: Mōn–Khmēr and Siamese-Chinese Families (including Khassi and Tai). p. 81ff., Sample: p.106ff. [Digital South Asia Library "Linguistic Survey of India"]
[最終更新 2021/09/04]