ビルマ(ミャンマー)中部、エーヤーワディー(イラワディ)川流域に位置するバガンは、ビルマ人による最初の王朝の都が置かれた地です。バガン朝の時代には、インド世界の文化的影響のもと、先進民族であったピュー人やモン人の文化を受容し、仏教建築や、彫像・壁画・浮彫・漆喰装飾などの芸術が花開きました。
また、初めてビルマ語が文字によって書き表されたのもこの時代で、石碑に刻まれたり、墨で寺院の壁に書かれたりした文字資料がたくさん現存しています。まさにバガンは、ビルマ人にとって文化のふるさとなのです。
本写真展は、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所(AA研)アジア書字コーパス拠点(GICAS) の研究プログラム「東南アジア諸文字の源流と発展」の研究活動の一環としてバガン遺跡で行なった碑文調査から得られた文字資料の写真と、調査の合間に撮影された風景・建築・芸術・人の暮らしなどの写真、計約50枚によって、バガンの文化を概観していただく企画です。